中学生・高校生のためのDTMの始め方|必要なものと、最初の1曲までの手順

中学生・高校生のためのDTMの始め方

「自分でも曲を作ってみたい」

そう思って検索してみたものの、出てくるのは「まずDAWを選びましょう」「オーディオインターフェースが必要です」といった話ばかり。数万円の機材の名前が並んでいて、読むのをやめてしまった——という人は多いと思います。

この記事は、中学生・高校生がDTMを始めるとき用に書いています。お小遣いの範囲でできること、家族と共用のパソコンでどうするか、部活や勉強との時間の兼ね合い。そういう、10代ならではの事情を前提にして、最初の1曲にたどり着くまでの順番を整理しました。

先に結論を書いておきます。パソコンが1台あれば、今日から無料で始められます。マイクもキーボードも、最初は要りません。

DTMって、そもそも何?

DTMは「デスクトップ・ミュージック」の略で、パソコンやスマホを使って音楽を作ることです。楽器を演奏して録音するのではなく、画面上で音を並べて曲にしていきます。

大事なのは、ここです。

楽器が弾けなくても作れます。ピアノが弾けない、楽譜が読めない、音楽の成績は普通。それでも大丈夫です。DTMは音を「置く」作業なので、演奏の技術がなくても形にできます。実際、いま活躍しているクリエイターにも、楽器の演奏経験がほとんどない人がいます。

もちろん、音楽理論を知っていれば早く進めます。ただしそれは後から追いつける部分です。順番としては、先に一度作ってみて、「もっとこうしたい」と思ってから勉強した方が、圧倒的に身につきます。

必要なものは、思っているより少ない

まず要るもの:パソコンとヘッドホン

パソコンが1台あれば始められます。自分専用である必要はなく、家族と共用のもので構いません。ソフトを入れることになるので、事前に一言相談しておきましょう。

性能についても、いきなり高いものは必要ありません。ゲーミングPCのような高価な機種は不要です。DTMはグラフィック性能をほとんど使わないので、ゲーム用とは求められるものが違います。

もうひとつ、ヘッドホンは実質必須です。数千円のもので十分で、家族に気兼ねなく作業するために要ります。

ソフトは無料のものでいい

曲を作るソフトのことを「DAW(ダウ)」と呼びます。

最初は無料のもので構いません。Macなら「GarageBand(ガレージバンド)」が最初から入っています。Windowsなら「BandLab(バンドラボ)」など、無料で使えるものがあります。ブラウザで動くものもあるので、インストールの許可が取りにくい共用パソコンでも始められます。

有料のソフトを買うのは、続くと分かってからで十分間に合います。

後回しでいいもの

マイク、MIDIキーボード、オーディオインターフェース。検索するとよく出てきますが、最初は全部要りません。

これらが必要になるのは、歌や楽器を録音したくなってからです。打ち込みだけで曲を作るなら、当面なくても困りません。ここに最初からお金をかけて、使わないまま終わるのがいちばんもったいないパターンです。

パソコンがない場合

家にパソコンがない、という場合もあると思います。

スマホやタブレットのアプリでも簡単な曲は作れますが、続けていくと音の数や機能の面で必ず限界が来ます。本格的にやるつもりなら、どこかの時点でパソコンが必要になります。

家族への相談のしかたや、値段の目安は別の記事にまとめました。

→ 〈DTM用のパソコンを親に買ってもらうには〉

最初の1曲を作るまでの4ステップ

ソフトを開いたはいいけれど何をすればいいのか分からない、というのが最初の壁です。順番を決めておきましょう。

ステップ1:好きな曲を1曲決める

ゼロから何かを生み出そうとしないでください。目標にする曲を1つ決めます。

ボカロ曲でも、ゲームのBGMでも、アニメの主題歌でも構いません。「こういう雰囲気のものを作りたい」という見本があるだけで、迷う回数が激減します。

ステップ2:ドラムを並べる

意外に思うかもしれませんが、メロディからは作りません。最初はドラムです。

理由は2つあって、ドラムは音程を考えなくていいので簡単なこと、そして曲の土台ができると他の音を置きやすくなることです。

アプリに入っているドラムのパターンをそのまま使って構いません。8小節ぶん繰り返すだけで、もう曲の骨格ができます。

ステップ3:コードを置く

コードというのは、複数の音を同時に鳴らした「和音」のことです。曲の雰囲気はほぼここで決まります。

理論を勉強する必要はまだありません。多くのアプリには、あらかじめ用意されたコードのパターンが入っています。いくつか試して、自分が「いいな」と思ったものを選べばいいです。

ステップ4:メロディを乗せる

ここでやっと、メロディです。

うまく思いつかないときは、鼻歌を録音してから打ち込むと早いです。頭に浮かんだものを直接音にする方が、画面を見ながら考えるより自然なメロディになります。


この4ステップで、30秒でも1分でも構いません。とにかく「最後まで通して聴ける状態」にしてください。途中まで作ったファイルが何個もある状態が、いちばん続かないパターンです。

続けるためのコツ

完成度は気にしない

最初の1曲は、たいてい自分でもがっかりする出来になります。これは全員そうです。上手い人も最初の曲は下手でした。

大事なのは、完成させた回数です。10曲目と1曲目を比べれば、自分でも驚くくらい変わっています。

1日15分でいい

部活も勉強もある中で、まとまった時間を取るのは難しいと思います。1日15分、週に3日でも十分です。

むしろ長時間やろうとすると、時間が取れない日が続いたときにそのままやめてしまいます。

作ったものを残しておく

完成したら、日付をつけて保存しておいてください。1年後に聴き返すと、自分の変化がはっきり分かります。

そしてこれは、将来もし音楽の道を考えることになったとき、そのまま自分の作品集になります。

つまずきやすいポイント

独学で止まってしまう人には、共通のパターンがあります。

音が出ない——設定の問題であることがほとんどですが、原因の特定に時間がかかります。ここで諦めてしまう人が本当に多いです。

解説動画が途中から分からなくなる——YouTubeの動画は順番に並んでいるわけではないので、自分のレベルに合ったものを探すこと自体が難しい。

思っている音にならない——頭の中のイメージと、実際に出る音のギャップ。これは何が足りないのかを自分で言語化できないと解決しません。

どれも、知っている人に5分聞けば解決する類の問題です。逆に言えば、一人でやっていると数週間止まることがあります。

次に読むといいもの

この記事は全体の地図なので、それぞれの詳細は個別の記事にまとめています。

  • パソコンが必要になったら → 〈DTM用のパソコンを親に買ってもらうには〉
  • ボカロ曲を作りたい人へ → 〈ボカロPになるには?中学生・高校生が最初の1曲を投稿するまで〉
  • 保護者の方へ → 〈DTMは中学生・高校生の習い事になる?費用・続くのか・何が身につくか〉

一人で止まってしまったら

NEON FREQは、中学生・高校生のためのオンラインDTMスクールです。現役の藝大生・日芸生・音大生が講師で、年齢が近いぶん「こういう曲が好き」という話から始められます。

パソコンとネット環境があれば受けられます。まだ何も持っていない、何も作ったことがない、という状態からで大丈夫です。

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